北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成9年度新発生病害虫]

レタスのマキバカスミカメ(新寄主)


葉が斑点状に褐変  平成9年7月、幕別町の収穫期のレタスで、葉が斑点状に褐変する被害が認められました。その部分の組織は明らかに無くなっており、陥没、空洞化、または穴が空いていました。褐変部は小さなものから、連続して大きくなったものまで認められました。このような被害は葉の外面だけではなく、内面、さらに結球内部の葉の表面にまで認められました。外葉を数枚剥いでも褐変部があるため、商品価値がなくなり、発生した農家では6aを廃耕にしました。ほ場内を調査したところ、マキバカスミカメ Lygus rugulipennis の成虫が数頭認められたため、室内で接種試験を行った結果、一晩の放飼で同様の被害を再現されました。

 今回の発生は一農家だけでしたが、調査時の聞き取りによると、毎年多少なりともこのような被害は発生するとのことで、この地域でウリハムシモドキによる食害とされていたものでした。

 被害のあった圃場は、作期が異なるものが並列して栽培されていたが、被害はマルチ栽培の一番最初に定植した作期のものに集中していました。発生ほ場の周辺は開けた畑作地帯で、本種の発生源と考えられるような雑草地等は認められませんでした。最近、本種は各種作物に被害をもたらすことが明らかになっており、生態の解明が望まれます。

(十勝農試・十勝農試専技室)



新発生病害虫一覧へ戻る
ホームページへ戻る