北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成9年度新発生病害虫]

スイートコーンのマキバカスミカメ(新寄主)


子実の斑点  1997年9月上旬に、湧別町上芭露のスイートコーン(品種:ハニー20)で、子実に斑点を生じる症状が発生しました。被害穂は雌穂先端部の子実の中央付近に幅2〜4mm程度の白色の斑点およびこの斑点が時間経過に伴って変色したと思われる褐色の斑点が生じていました。

 被害子実を縦に切断すると、斑点の部分は子実表皮が浮き上がり内部が扁平な空洞になっていました。被害株は発生ほ場(面積30a)内にパッチ状に散在しており、2年ほど前から類似の症状が認められていたとのことです(湧別地区農業改良普及センター、東谷氏)。







   発生ほ場で雌穂の表皮をめくると先端部付近にカスミカメ Lygus rugulipennis Poppius の成虫が3〜6頭程度入り込んでいるのが観察されたことから、北見農試のほ場で9月19〜30日の間、スイートコーン先端部にテトロン袋をかぶせて本種成虫を1穂あたり5頭接種しました。その結果、子実に同様の症状が再現され、本症状はマキバカスミカメの吸汁によって生じる吸汁被害であることが明らかになりました。包皮をあらかじめめくって雌穂先端を露出させてから接種した場合に被害の発生が顕著であったことから、本被害は雌穂先端が露出しやすいような品種、条件で生じ易いものと推測されます。


症状写真

白色の斑点
時間を経過して褐変した斑点

(北見農試)



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