北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成8年度新発生病害虫]

たまねぎ、ねぎのナモグリバエ(新寄主)


 近年、長沼町、訓子府町のたまねぎにハモグリバエによる被害が散見された。また、1996年には上磯町のねぎにも同様の被害が発生した。加害種は葉の表面に断続しない細長い線状の潜葉痕を残しながら葉肉を食害し、潜葉痕末端の葉内で前気門を葉外に突出させて蛹化した。加害した幼虫から羽化した成虫により、加害種はナモグリバエChromatomyia horticola (Goureau)と同定された。本種は広い寄主範囲を持つことが知られている。
 北海道においてネギ類に類似の被害を及ぼす種類としては、ナスハモグリバエ、ネギハモグリバエがあげられる。両者は幼虫が葉の表、裏面を移動しながら断続した潜り痕を残す点、幼虫が葉を脱出して地中で蛹化する点、ネギハモグリバエに関しては成虫の産卵、吸汁痕が縦に1列に並ぶ点でナモグリバエとの識別は容易である。

(北見農試、中央農試害虫科、道南農試)









新発生病害虫一覧へ戻る
ホームページへ戻る