北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成8年度新発生病害虫]

トマトのジャガイモシストセンチュウ(新寄主)


 1996年6月上旬に、喜茂別町尻別のハウス栽培トマト「桃太郎8」(2年連作)で地上部の生育不良や葉のしおれなどの症状が認められた。被害株の根は先端部が出すくみ症状を呈し、肥大してややコブ状になり、根面にはジャガイモシストセンチュウ Globodera rostochiensis (Wollenweber)の雌成虫が寄生し、その根辺土壌から幼虫も多数分離された。地上部の被害としては定植(5月3日)後2週間目頃からみられた。トマトはジャガイモシストセンチュウの寄主作物ではあるが、圃場で被害が確認されたのは初めてのことである。
 同様の被害が、喜茂別町留産「桃太郎8」(3年連作)とニセコ町里見「桃太郎8」(2年連作)で認められたが、これらのハウスの土壌中からはジャガイモシストセンチュウとキタネコブセンチュウが確認されている。

(中央農試害虫科、北農試線虫研、南羊蹄農改センター)



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