北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
空知管内奈井江町の1農家のミニトマト栽培ハウス(前述のメキシココナカイガラムシが発見された同一のハウス)で、トマトの下葉から枯れ上る症状がみられた。被害葉を検鏡したところフシダニの寄生が認められた。埼玉県園芸試験場主任研究員根本久氏に同定を依頼した結果、トマトサビダニ Aculops lycopersici (Massee)と確認された。
本種は1986年に沖縄県下の施設栽培トマトで発見され、1989年には大阪府を中心に関西地域に広がり、1991年には愛知県、1995年には北関東にまで達している。本種の休眠は認められていないが、第2若虫は1.1℃恒温条件下で10日ほど生存するので、施設内や無霜地帯の冬季に寄主植物があるところでは越冬が可能と考えられている。