北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
1993年に北海道北竜町でメロン品種「サマーレッド」が萎ちょうし、葉枯れを生じた。茎は条状に腐敗し、表面には黒色のやにを生じ、維管束は褐変していた。発病株からフザリウム属菌と見られる赤褐色色素生産性の白色綿毛状の糸状菌が分離された。本菌をメロンに浸根接種したところ、自然病徴に酷似した病徴が再現され、さらに発病株から接種菌と同一の糸状菌が再分離された。分離菌は小型分生子を短いphialideの先端に擬頭状に形成し、その形状は無隔膜、無色、楕円形、大きさは5.6〜11.2×1.8〜4.0μmであった。大型分生子は1〜5隔膜、無色、三日月状、大きさは25.5〜74.0×3.9〜6.7μmであった。ゆうがおおよびへちまを侵す菌株も見られたが、分離菌株はすいか、きゅうりおよびかぼちゃを侵さず、メロン、しろうりに強い病原性を示した。また、判別品種であるCharentais T、CM 17187(Fom 2)を侵したが、Doubulon(Fom 1)を侵さなかった。以上から、北海道でFusarium oxysporum f.sp.melonis レース2によるメロンつる割病が発生していることが明らかになった。