北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成5年10月は沼田町で、平成7年5月は伊達市において、ストックの採花期近くに下葉の黄化あるいは株全体が萎ちょうする症状が多発した。茎部を切断すると維管束部の褐変が認められた。茎部から病原菌を分離したところ、Verticillium菌が高率に検出された。 分離菌の胞子懸濁液をストック(品種「初春」)の幼苗に浸根接種したところ、下葉の黄化および萎ちょう症状が再現され、維管束の褐変も認められた。本病菌はPDA培地上で多数の微小菌核を形成し、30゚Cでも生育することなどから、V.dahliaeであると考えられた。
本病菌を数種作物に接種したところ、ストックのほか、ナス、オクラで激しい萎ちょう症状が認められ、ピーマンでは沼田分離株で萎ちょう症状が見られた。ダイコン・ハクサイでは一部菌株で維管束の褐変が認められた。トマトでは全く症状が現れなかった。