北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成7年度新発生病害虫]

ベゴニアの斑点細菌病(新発生)


 平成6年10月、北海道長万部町でクリスマス・ベゴニアに葉縁から水浸状に腐敗する病害が発生し、罹病部より黄色のコロニーを形成する細菌が多数分離された。クリスマス・ベゴニア及びエテェラオール・ベゴニアに噴霧接種したところ、斑点状及び葉縁から水浸状に腐敗し、病徴が再現された。これまで北海道ではベゴニアの斑点細菌病の発生に関する報告は無く、北海道では初発生である。分離細菌はグラム陰性、単極毛、短桿状、黄色集落を形成、カタラーゼ陽性、オキシダーゼ陰性などの点からXanthomonas 属菌で、エスクリンの分解、硫化水素の産生は陽性、ウレアーゼ活性は陰性、食塩耐性は4%、最高生育温度は39゚C、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、セロビオースから酸を産生することから本細菌はX.campestris である。X.campestris の宿主となる各種植物に接種を試みたが、ベゴニア以外には病原性は認められず、本細菌はX.campestris pv.begoniae と考えられた。

(道南農試研究部病虫科)








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