北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成5年7月、八雲町のグラジオラス(品種：ガリレイ、ビバリ)の葉身にはじめ淡褐色の病斑でのちに赤褐色となる病斑が多数生ずる病害が発生した。病原菌を分離したところ、気中菌糸の形成が旺盛な淡褐色の菌叢を示す糸状菌が分離され、Botrytis菌と考えられた。接種試験を行ったところ病原性が確認された。インゲンマメおよびイチゴ切離葉には病原性はなかった。菌核は1〜2mm程度の不正形のものを形成した。小型分生子および大型分生子の形成が認められ、大型分生子の大きさ(長径×短径)は16.4×l2.5μm(l2.9〜19.8×8.9〜l5.5μm)であった。
グラジオラスではBotrytis gladiolorum の発生が報告されており、既報の文献と比較したところ、大型分生子の大きさもほぼ一致したことから、 Botrytis gladiolorumと同定した。