北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成6年度新発生病害虫]

メロンのつる割病菌レース0およびレース1、2の発生(新レース)


 北海道では道央地帯を中心としてメロンつる割病が発生している。199l年〜1994年に道内各地で採取したメロンつる割病罹病株から病原菌を分離し、判別品種に対する浸根接種によってレース検定を行った。判別品種としてCharentais T、Charentais T(Fom1)、Charentais T(Fom2)、Doublon(Fom1)、CM17187-1(Fom2)およびCM17187-2(Fom2)の6品種を用いた。
 その結果、Risserら(1976)の分類に従うと、検定を行ったl6菌株はレース0およびレース1、2のいずれかに相当した。現在のところ、レース0は夕張市を除く道内各地のつる割病罹病株から分離され、レース1、2はタ張市の罹病株のみから分離された。
 夕張市では病徴および寄生性が異なるメロンつる割病菌の新系統の発生がすでに報告されており(岩田ら:1993)、夕張市由来のレース1、2は葉に黄化症状などを発現するところからレース1、2のYelloWing typeに相当するものと考えられる。
 北海道におけるレース1、2の発生により、発生地域ではこれまでのメロンつる割病抵抗性品種の栽培あるいは抵抗性台木の利用ができなくなり、今後の大きな問題である。

(中央農試病虫部)



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