北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
ムギウスイロアブラムシ Metopolophium dirhodum (Walker)は、昭和63年に北見地方の麦類で確認されて以降、毎年、少ないながら継続的に見られていた。平成5年は、十勝・上川・北見地方と広域的に、これまでの小麦・エンバクのほかにトウモロコシ・クサヨシなどに発生が目立った。トウモロコシでは7月下旬に下葉の裏側に多数の寄生が見られ、吸汁部は水浸状になりその中央表面には褐点があらわれた。一次寄主としては、十勝・上川地方で10月下旬にバラ・ハマナシ Rosa spp.に多数の卵生雄および有翅雄が認められた。このことは、本道でも越冬できる個体群が増えてきたことを意味しており、今後の各種イネ科作物への寄生、関連ウイルス病の発生動向に注意を払う必要があろう。