北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成4年9月、網走管内佐呂間町の香料用青ジソ栽培圃場において青ジゾ葉身上に、褐色、不整形の斑点を生じる病害が発生した。初期病徴は、直径2〜3mmの小斑点であり、次第に拡大して2〜3cmの大型病斑となる。定法により糸状菌を分離したところ不完全菌類が分離された。その分生子柄は、直立円筒形、下部は褐色であるが上部はほぼ無色で分岐した。分生胞子は、出芽型、無色〜淡褐色、平滑で、大きさは9.0〜9.5×6.1〜6.8μmであった。これらより本菌をBotrytis cinerea Persoon:Friesと同定した。さらにPSA培地上で得られた本菌の分生胞子法を予め温室内で生育させた8葉期の青ジソに噴霧接種したところ、5〜7日後には葉身上に自然病徴に酷似する病斑が形成され、タマネギ鱗片(有傷)やインゲンマメ(無傷・切離葉)に対しても病原性を示した。以上により、北海道におけるシソ灰色かび病の発生が確認された。