北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
カラーは北海道各地で栽培されているが、生育中に茎葉が軟化腐敗する症状が発生し、問題となっている。本症状は生育中の全期間を通じて発生し、はじめ葉柄基部に暗緑色で水浸状の病斑が形成され、その後葉柄全体に伸展し、倒伏する。
激しく発病すると株全体が枯死する。罹病組織から白色集落を形成する細菌が分離された。分離菌を葉柄に有傷接種したところ、同様の症状が再現された。本細菌は桿状で周毛、グラム反応陰性の通性嫌気性菌で、36゚Cで生育し、硝酸塩の環元、ゼラチンの液化、カゼインの分解、硫化水素の産生、アセトインの産生、カタラーゼ活性、ガラクツロン酸の利用は陽性、ラクトース、トレハロース、イノシトール、グリセロールから酸を産生した。
しかし、インドールの産生、グルコン酸の酸化、ウレアーゼ活性、フェニルアラニンデアミナーゼ活性、レシチナーゼ活性、Na- 酒石酸の利用は陰性で、マルトース、イヌリンから酸を産生しなかった。また、カラーのほかジヤガイモ塊茎、ダイコン根部を軟腐させた。以上の結果から、本菌は
Erwinia carotovora subsp .carotovora (Jones) Bergey et al.と同定された。
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