北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成4年6月下旬に、芽室町渋山の農家で沢地の林下に永年白生させているギョウジャニンニクに芯枯れが多発した。茎の内部には、淡褐色のフキヨトウに似た蛾類幼虫が0〜1頭見つかった。穿孔位置は、地際や先端部などに特定されず、茎の中途に糞を排出していた例が多かった。
被害としては、当年の種子生産が出来ないこと、また個体が途絶えやすいことなどがあげられる。ただし、同農家畑地の栽培圃場には全く発生は見られなかった。これは夏以降の枯葉処理の差によるものかもしれない。
8月上旬に羽化した雌雄1対の成虫について交尾器の形状を調べたところ、スギキタヨトウ Hydraecia mongoliensis
Urbahnと一致した。本種はタマネギでも生育初期に芯葉を食べるボーラーとしてすでに報告されていることから、幼虫の寄主植物としてネギ属を選択している可能性がある。年1化であり、同属のフキヨトウ
H. amurensis と同様に卵越冬と思われる。しかし、産卵場所やふ化直後の食餌植物など生態については十分調べられていない。
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