北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成4年7月、長沼町でキク(スプレーギク)の草丈がわい化し、開花の早まる症状が発生した。葉及び茎には何ら病斑は現れない。本症状は品種単位で発生していた。本症状のキク(品種:アルカディア、トモダチ)から核酸を抽出し、15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を行った結果、キクわい化ウイロイド(CSV)と同じ移動度を示す一本のバンドが検出され、さらにこの分画は8M尿素下での変性 PAGE(5%)で線状型と環状型のバンドに分かれることから一本鎖環状のウイロイド様RNAであった。
次にジコキシゲニン(DIG)標識CSV・cDNAプローブとドットプロットハイブリダイゼーションを行った結果、本症状株のみに反応が認められた。さらに CSVに特異的一組のプライマーを用い PCRを行い、これをエライザ用マイクロプレートに吸着させた後、DIG標識CSV・cDNAプローブとハイブリダイゼーションを行い検定したところ同様に罹病株にのみ反応が認められた。
以上のことから、本病を CSVによるわい化病と同定した。本病の発病により、キクの草丈が抑制されるため、その品質に大きく影響すると思われる。
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