北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成4年7月、共和町でごぼうの根部が黒褐変し激しく枯凋する症状が発生した。根部は腐敗が進むとくびれ、株を引っ張ると容易に抜け、根部が切れてしまうものも多数あった。罹病根部からはRhizoctonia solani
が高率に分離された。これら菌株の含菌寒天を市販のごぼう成根に接種したところ、圃場と同様の黒褐色腐敗が認められた。
分離した R. solani は既知のAG2-1、2-2、BI群の菌株と菌糸融合し、特にAG2-2とは高頻度であることからAG2-2に属するものと思われた。培養型は大部分の菌株が
イネ紋枯病系(III B)で、菌糸は初め無色〜淡褐色、後に褐色となり、輪帯を形成し、平板状であった。菌核は球〜偏球形でわずかに散生し、菌糸幅は6.50-9.15-12.50μmと太く、36゚Cでも生育し、28゚Cに適温をもつ高温菌であった。
以上のことから、本病はR. solani Kuhn(AG2-2 III B)による
ごぼう黒あざ病と考えられた。
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