北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成4年度新発生病害虫]

まくわうりの半身萎ちょう病(新称、新発生)


 平成4年7月に由仁町及び追分町の各1農家でまくわうり(品種;北海甘)の下位葉から萎ちょうし、しだいに生育が衰え、やがて枯死する病害が発生した。被害は由仁町では作付面積0.2haの3%で、追分町では0.2haの10%で認められた。発病株の維管束部は黄褐変しており、この部位からVerticillium 属菌が高率に分離された。分離菌の分生子柄は1〜数段にわたって小柄を輪生し、その基部は着色していない。また、同菌は30゚Cでも生育でき、PDA 培地に埋没した多数の微小菌核を形成した。このような菌学的諸性質から、分離菌はV. dahliae Klebahnと考えられる。分離菌を浸根接種すると、 まくわうりのほか、メロン、ナス、オクラ、スイカに激しい萎ちようと、それに続いた枯死を起こした。
 一方、トマト、ピーマン、キャベツ、ハクサイ、キュウリにはこれらの症状は全く認められなかった。 まくわうりにおける本病の発生は本邦未記録であるので、発病初期の病徴から、半身萎ちょう病の病名を与えた。

(中央農試病虫部土壌微生物科)



新発生病害虫一覧へ戻る

ホームページへ戻る