北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
近年、道内の花き栽培地域において、各種花き(平成2年4月:伊達市のキンギョソウ、平成3年3月:栗沢町のトルコギキョウ、同7月:上富良野町のデルフィニウム(ラークスパー)、同8月:札幌市のゼラニウム)で苗や挿し苗の根部を加害する双翅目幼虫が発生した。加害した幼虫の羽化成虫を同定した結果、本種はチビクロバネキノコバエBradysia agrestis Sasakawa et Akamatsuであることが確認された。
幼虫は白色半透明な線虫状で、体長は3〜5.5o、頭部は黒色のキチン質で硬く、体幅は頭部より広く約0.24o、成虫は体長1〜2oの小さなハエで葉の上などをすばしっこく歩き回り、飛び回って移動する。
幼虫は主根の内、外部や挿し苗の茎部を食害し、被害根は空洞化してスポンジ状になる。地上部はしおれて、被害の激しい場合は立ち枯れとなる。有機物を多量に施用した施設で発生が目立っており、短期間で世代を繰り返す。今後、上記以外の花き類でも発生が予想されるので注意が必要である。
新発生病害虫一覧へ戻る
ホームページへ戻る