北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成3年7月に江別市及び新篠津村の二条大麦の穂の一部に褐変が認められた。粒は外部が褐変し、内部は未結実あるいは充実不良であった。これらの粒内部には1頭あるいは数頭の半透明白色、球状のダニが確認された。岩見沢市上幌向(中央農試稲作部)の春小麦でも同様の症状・ダニが認められた。このダニはシラミダニ科の一種(あるいは複数種)Siteroptes sp. ( spp.) と同定された(黒佐和義氏)。同属の
S. avenae は、ヨーロッパではイネ科草本、麦類、穀類の“silver top ”と呼ばれる被害の原因として知られ、糸状菌の一種
Nigrospora oryzaeと生活が結びついていることが報告されている。確認されたダニはこの
S. avenae あるいは近縁種と考えられるが、日本では未記録であり、種名については同定依頼中である。
新篠津村の二条大麦圃場の見取り調査では、約3%の穂に褐変粒が認められた。稲作部小麦圃場では100穂中、15穂にダニ寄生を確認した。
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