北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成2年、北海道後志支庁管内倶知安町でゴボウの根部維管束が褐変する症状が発生した。本症状のゴボウは、根部や地上部の外観にはほとんど異常が見られず、出荷後に根部を切断して初めて本病の発生が確認されることもある。そのため、品質の低下のみならず産地のイメージダウンにも繋がり、その被害は甚大である。
常法により、維管束部から病原菌を分離したところ、低率であるが Verticillium 属菌が検出された。分離菌の分生子柄は1〜数段にわたって小柄を輪生し、その基部の着色は認められない。また、分離菌は30℃でも生育でき、PDA培地に埋没した多数の微小菌核を形成する。このような諸性質から、分離菌はV. dahliae と考えられる。
分離菌を浸根接種すると、ゴボウだけでなくナス、オクラに強い病原性を示した。一方、トマトとピーマンには病原性がなかった。
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