北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和60年7月、空知管内長沼町においてネギの根部が紅変症状を示す病株が発生した。本症状を示す病株は、その後道内各地で発生しており、特に連作畑での発生が目立つ。一般的症状としては、ネギの生育が全体的に劣り、葉の黄化・萎ちょうを伴うことも多い。根の張りが悪く、部分的に紅変する。紅変した根では内部の崩壊するものがみられる。病原菌は糸状菌の一種で不完全菌類に属する。菌学的諸性質より Pyrenochaeta terrestris と同定された。本菌はネギのほか、タマネギ、ニンニク、ジャガイモ、トマトに病原性がある。本病は本邦未記録の病害であり、紅色根腐病の病名を与えた(日植病報:51、95.1985)。