北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成3年度新発生病害虫]

てんさいのうどんこ病(新発生)

(1991年−平成3年)


 平成2年11月末に北海道農試温室内で採種用てん菜の葉や花茎等に白色粉状の菌叢が認められた。圃場においては平成3年7月下旬に初発、8月中〜下旬に最盛期になった。札幌市、長沼町、倶知安町、ニセコ町、帯広市の合計13圃場で発生が確認されたが、いずれも子のう殻は観察できなかった。
 てん菜の10品種、21系統に発生し、接種ではフダンソウ、テーブルビート、飼料用ビートにも発生した。ソバ、ミチヤナギ、アカクローバ、キツネノボタンなど7種の宿主から得たErysiphe polygoni 型の発芽をする菌はいずれもてん菜に寄生性が認められなかった。
 分生胞子は透明、楕円形、単生型で、発芽管に拳状の付着器が形成された。分生子梗は長さ67.2(47.8〜93.1)μmであり、分生胞子は41.5(33.5〜51.6)×17.3(14.4〜21.1)μmであった。種名は子のう殻の形態を観察したうえで同定しなければならないが、以上の形態や寄生性から、調査した菌はE. polygoni 型と判断され、E. betae(Vanha)Weltzienの可能性がある。

(北海道農試畑作管理部畑病害研究室、防除所予察課)


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