北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成2年雨竜町、平成3年6月共和町のトウモロコシに葉鞘が腐敗し、中心部が崩壊する病害が発生した。病斑部からPDA平板上で周縁波状中央こぶ状の白色集落を形成する細菌が分離された。分離細菌をトウモロコシに噴霧接種したところ、葉鞘が腐敗し病原性が認められた。
本細菌はグラム陰性、周毛、グルコ−スを発酵的に分解し、オキシダ−ゼ活性(−)、黄色色素の産生(−)、硝酸塩還元(−)、ジャガイモ塊茎を24時間以内に軟腐させたことから
Erwinia 属のCarotovora 群に属した。また、インド−ル産生(+)、グルコ−スからガスを産生し、ホスフォタ−ゼ(+)、エリソロマイシン感受性(+)、マロン酸塩を利用し、トレハロ−スを利用せず、
E. chrysanthemi の性状と一致した。
さらに、ゼラチン液化(+)、39℃で生育し、レシチナ−ゼ活性(+)、アルギニンデカルボキシラ−ゼ活性(−)、D-マニト−ル、D-アラビノ−ス、メリビオ−ス、ラフィノ−ス、D-ソルビト−ルから酸を産生し、イヌリンから酸を産生しなかった。Na-酒石酸を利用した。
以上の結果から、本細菌はErwinia chrysanthemi pv.zeae と同定された。
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