北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成3年4月恵庭市の秋播小麦品種「チホクコムギ」の1圃場(約2ha)に径10m程度の坪状で生育不良の地点が数カ所認められた。
この生育不良地点の小麦の約半数の株ではすべての茎が枯死して葉身および茎に雪腐褐色小粒菌核病菌の菌核が多数認められた。残り約半数の株では全体がやや〜かなり萎縮して葉身に退緑斑点がかすり状を呈するもの、葉身の先から約半分程度が黄白色で、先端部分が橙黄色を呈するもの、あるいは葉脈に沿って葉身の1/3〜1/2の幅で黄白色の縞状となっていた。この退緑・黄化株からはひも状粒子が多数検出された。
この粒子は外被蛋白質のサイズ、および血清学的特性からコムギ縞萎縮ウイルス(Wheat yellow mosaic virus)であると同定された。 さらに根部からはPolymyxa graminis が検出された。
以上のことから本病は縞萎縮病と診断された。本病は上記圃場の坪状生育不良地点以外でも散見された。さらに千歳市の2圃場、長沼町の1圃場でも発生が確認された。
本病の発生は本州で古くから知られているが、北海道ではこれまでに報告がなかった。
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