北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和61年5月中旬、音更町勳のチモシー単播畑約2haの大部分が枯死し、地表部に多数の鱗翅目幼虫が認められる被害が発生した。本種はその後の羽化成虫によりイシカリヨトウ、Apamea oblonga Hawoth と同定され(杉 繁郎氏同定)、幼虫が茎葉の基部を食害するため株は枯死する。発生密度は30p四方、5ヶ所調査で平均11頭(3、4、10、18、20頭)の中令〜老令幼虫が確認され、その後の6月上旬の調査では令期は老令〜蛹が大部分であった。被害は音更町柏葉、上士幌町でも確認され、被害面積は音更町10ha、上士幌町3haとなった。本種は年1化、幼虫越冬で夏に羽化し、イネ科の茎の根際を加害し、食草として
Puccinellia spp.(チシマドジョウツナギ属)などが報告されているが、今回の被害地は全てチモシー単播畑で認められている。