北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和59年8月函館市で、 30a中10%の株に退緑斑点を伴ったモザイク病が認められた。病株からカブモザイクウイルス(TuMV)とキュウリモザイクウイルス(CMV)が検出され、TuMV はキャベツに容易に感染したが、CMV は感染しなかった。
TuMVによるキャベツの病徴は初め明瞭な退緑斑点からなるモザイク状斑を示し、老葉に激しい不規則なえそ斑点や輪紋を生じ、結球株では外葉に鮮明な黒褐色のえそ斑紋を現わした。分離株は他の寄主植物の反応、理化学的諸性質などから外国で報告されている TuMV のキャベツ系と同定された。なお、本年は函館市のほか旭川市と訓子府町のキャベツとダイコンのモザイク病株からも TuMV が分離された。