北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和59年度新発生病害虫]

ホウレンソウの根腐病(新発生)

(1984年−昭和59年)


 昭和59年7、8月に、札幌市有明地区などの露地及びハウス栽培の生育中、後期のホウレンソウの葉が萎凋黄化し、地際の根部が始め水浸状で、のち黒褐変して細くなって切れる症状が認められた。現地ではこの症状を「鎌いらず」と呼んでいる。
 これら病個体の胚軸部には卵菌綱に属すると見られる卵胞子が多数認められ、常法により糸状菌を分離した結果 Aphanomyces 属菌が主体に検出された。純粋分離した菌株の病原性、形態及び宿主範囲などからAphanomyces cochlioides Drechslerと同定され、群馬県で始めて発生し国永ら(1975)によって命名された根腐病である。

(中央農試化学部、同病虫部)


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