北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和58年度新発生病害虫]

タマネギのかいよう病(新称)

(1983年−昭和58年)


 昭和46年に札幌市、栗山町、長沼町及び岩見沢市で発生が認められたほか、その後美幌町、端野町、訓子府町及び富良野市など道内各地で確認された。本症状は育苗時に発生し、苗床全面に散発することが多く、第1、2葉が爆裂症状を呈し、激しいものは枯死する。昭和56年に本病原菌がグラム陽性のCorynebacterium 属菌細菌によることを報告した。
 その後本病原細菌は1本の単極毛、運動性の多型性稈菌で集落は黄色、栄養要求性があり、アスパラギンを唯一の窒素、炭素源とし、ラムノースやリボースなどから酸を産生し、またショ糖から還元物質を産生し、33゚Cの最高生育温度、5〜6%の食塩耐性を有するなどの細菌学的、病理学的性質、さらに病原性や血清学的性質などからC.flaccumfaciens の新病原型と考えられ、さらに精査を要するが「タマネギかいよう病」を提案する。

(十勝農試)


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