北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和55年に芽室町(十勝農試ほ場)、同57年には帯広市、芽室町、同58年には左記のほか札幌市で、0.5ないし4haのほ場に点在または局部的に9月上旬頃より大豆の葉が急激に萎凋しはじめ、のち株全体に及んで落葉枯死する症状が発生し、病状進展の遅いときは葉の周辺や葉脈間が枯死する。なお、落葉症状はアズキ落葉病のように急激ではなく緩慢である。
これらの病茎を切断すると維管束部や髄部に褐変が認められる。病株より Cephalosporium
属菌が分離され、土壌接種試験でほ場観察と同症状が再現された。本菌の生育適温は20゚C前後で、分生胞子の大きさ、分生胞子の形成及び分生胞子柄の型状などはbrown sten rot の病原菌とほぼ一致し、症状も酷似するので本病菌を
Cephalosporium gregatum と同定し、その症状から「ダイズ落葉病」と新称する。