北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和58年7月上、中旬に、栗山町、長沼町及び札幌市(北農試ほ場)の秋播小麦が出穂後間もなくから倒伏するものが目立った。その病状は、稈や地際部に長楕円形ないし雲形で、周辺淡褐色、内部汚白色の病斑が生じ、しばしば稈を囲む。葉鞘には楕円形のイネ紋枯病様の病斑を認める場合もあるが、葉鞘全体が枯れて病斑不鮮明なことが多い。稈の病斑上や葉鞘裏面などに褐色の菌糸塊がしばしば見られる。
これらの標本からCorticium gramineum IKATA et Y.MATSUURA が分離された(北大農、生越教授同定)。なお、本病は本州では麦類の重要病害である。