北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和57年7月に、大野町および七飯町のハウス栽培の抑制トマト(6月上旬播種)にTMV による条斑病類似症が多発生し、大野町では560a(栽培面積の約80%)におよび七飯町では800aに被害が見られた。病状は、茎葉および果実にえそを、時には葉にモザイクを生じ、新葉では糸葉状に萎縮することもある。
被害の見られたのは主要栽培品種である「あずさ」および「強力改良秀光」で、前者はTm/+、後者はTm-2a/+のTMV抵抗性因子を有し、さらに「麗秋」も作付けは少ないがTm/+とTm-2a/+の2因子を持っていることから TMVによる条斑病とは考えられず、さらに罹病植物からCMV が高率に検出されたため、本病はCMV による条斑病と考えられた。
なお、昭和54年に余市町の同様な症状株からCMV が検出されている(北農試調査)。しかし、本種は種々の症状が見られることがあり、他のウイルスとの重複感染も考えられるのでさらに検討を加えたい。