北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和56年度新発生病害虫]

ユウガオのつる割病(新発生)

(1981年−昭和56年)


 昭和56年4月に、共和町のスイカの苗床で、接木直後に生育の萎凋する症状が多発生したほか、森町・滝川市及び富良野市でも認められた。これらのスイカ台木はユウガオであり、ユウガオの子葉は葉脈に沿って黄化し、のち乾枯状となり、茎及び根は導管の褐変するものが多くみられる。
 萎凋株のユウガオから高頻度に糸状菌が検出され、分離菌株はユウガオに強い病原性を示したが、スイカ・メロン・キュウリ・ヘチマ・トマト・ピーマン・ナス及びカボチャには寄生性を示さなかった。このようなことなどから、病原菌は Fusarium oxysporum f. sp. lagenariae と同定された。
 なお、本病は府県での発生が多く、種子及び土壌伝染性の高い病害で、特に種子伝染率が高く、共和町の発生地で使用されたユウガオ種子の60〜80%が保菌しており、また接木作業などで汁液伝染することが知られている。このようなことから、次の緊急対策を講ずる要がある。

  1. 病苗は早急に抜き取りほ場に持ち込まない。
  2. 発病のあった苗床土壌は今後使用しないか、使用するときは土壌消毒を完全に行う。
  3. 無病のユウガオ種子を使用し70゚Cの温湯に5日間種子を浸漬消毒する。
  4. 発生地域ではカボチャ台木を使用する。
(中央農試病虫部)


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