北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和56年8月27日に、洞爺村の「ハニーバンダム」の葉に夏胞子堆の形成が僅かに認められ、その後病勢が漸増し、10月上旬には全葉に及ぶものもあった。冬胞子堆は9月中・下旬よりみられ、10月上旬にはほとんど冬胞子堆となっていた。品種間に発生程度の差がみられたが、蔓延が生育後半のため栽培上大きな問題にはならないと思われる。
なお、洞爺村のほか、10月上旬に真狩村、ニセコ町、蘭越町、喜茂別町、留寿都村及び倶知安町でも発生を認めたが、石狩及び空知地方では未発生であった。
夏胞子堆や冬胞子堆の病状及び形態的性質は本病菌に類似しており、今後中間寄主(カタバミ属植物とされているが本道ではコミヤカタバミが自生)上での銹子腔の確認と病原性など精査を要するが、病原菌は
Puccinia sorghi SCHW と同定して間違いないものと考えられる。