北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和56年度新発生病害虫]

小麦の条斑病(新発生)

(1981年−昭和56年)


 昭和56年7月に、訓子府町及び追分町の秋播小麦がつぼ状に生育が悪く、葉に1〜2本の黄褐色条斑が認められた。美幌町でも同症状がみられた。この条斑部及び根の褐変部を常法で分離すると、2週間後に白黄色コロニーを形成する糸状菌が検出された。
 分離菌株の分生胞子は無色、単胞、長楕円形、2個の小滴を内包し、大きさ5〜11×1.5〜3.0μで、短子柄上に集合し幅頭状を呈する。また、TLC 上で多量の毒素を産生する。
 条斑症状の葉身細片を殺菌土壌に混入して小麦を播種すると3週間後に下葉に淡黄色で境界不鮮明な条斑が中肋部に観察され、また分離菌株の胞子けん濁液に小麦幼苗を浸漬後鉢植えすると2〜3週間後に下葉に1〜2本の黄色条斑を生じ上葉へと進展する。
 以上のようなことから、病原菌は Cephalosporium gramineum NIS. & IKAと同定された。

(北大農、北見農試、中央農試病虫部)


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