昭和55年9月に、浜益町の「デラウェア」約20aに、本種 Colomerus vitis PAGENSSTECHER の激発を認めた。なお、本種の発生はこれまでにも散見されていたが、問題になるような被害がなく、未報告であった。
本種はフシダニ科に属し、うじ虫状の体に2対の脚を有する微小なダニで、雌の体長は160〜200μ、雄は140〜160μである。ぶどうの葉裏に寄生して加害するため、葉表が突起し、また葉裏に毛せん状の毛が多数生じ、被害の著しい場合は葉表が火ぶくれ状になる。
長田(1970)によれば、山梨県ではぶどうの結果母枝の芽の鱗片下で越冬した成虫が、発芽直後から葉を加害し、生息密度の高い場合は新梢先端部の葉が展開せず枯死することがあるという。