昭和54年8月に、真狩村のジャガイモシストセンチュウ試験ほの馬鈴しょ連作ほ場(品種「ツニカ」)で、生育異常株が認められた。病徴は、はじめ地際茎の維管束が褐変し、頂葉が退緑、巻葉し、8月中旬頃から萎凋し、急激に黄化、倒伏して枯凋期が早まる。
褐変した維管束から Verticillium 属菌が高率に分離され、PDA 平板上で菌核を形成せず、褐変した厚膜菌糸のみを生ずる。分生子梗の基部は着色し、分生胞子は無色、長円形ないし楕円形、1室で、2.90〜6.78×1.94〜3.87μmである。PDA平板上では30゚Cで全く生育しない。
なお、同試験ほの「紅丸」からも同様に菌が検出された。これら分離菌株の分生胞子を土壌接種または根部浸漬接種した結果、「ツニカ」及び「紅丸」とも萎凋症状を呈し、「ツニカ」の頂葉の退緑、巻葉が顕著であった。以上の結果から病原菌をVerticillium albo-atrum REINKE & BERTHOLD. と同定し、半身萎凋病と命名が提案されている。