北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和53年度新発生病害虫]

てんさいのテンサイモグリハナバエ

(1978年−昭和53年)


 てんさいを加害しているアカザモグリハナバエ Pegomya hyoscyami PANZER が、北大農学部の最近の研究により別種であることが明かとなった。両種は極く近縁の種であるが、次の点で区別される。
 すなわち、テンサイモグリハナバエ Pegomya mixta VILLENEUVE の雄では、額帯幅は前単眼の直径より狭くはならなく、第5腹板側葉の内側基部に顕著な短剛毛群がある。雌では胸背及び腹背の中央に褐色の縦紋がなく、あっても不明瞭で、第7腹板の剛板の剛毛は長くて後方に向いている。また、本種はてん菜のほか、アカザ、コアカザ、ウラジロアカザ、ハマアカザ、ほうれんそうに寄生する。
 一方、アカザモグリハナバエは我が国ではアカザ、ウラジロアカザ及びほうれんそうから得られているが、てんさいへの寄生は確認されていない。なお、札幌附近のアカザから得られるものはほとんどアカザモグリハナバエである。


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