昭和53、54年の9月、長沼町の中央農試のリンドウ畑全面に発生を認めた。病徴は花が侵されて褐変し、さらに茎全体に拡大する。枯死した花の組織中や茎の表皮下に扁平の菌核を多数形成し、また枯死茎内部に小型分生胞子を形成する。菌核から生じた子のう盤は2〜6mmで、子のうは111.5〜152.5×7.5〜8.8μm、子のう胞子は4.5〜6.3×8.8〜12.5μm。
PDA 平板培地での菌核は扁平、不定形、子座状で半ば埋没して形成される。罹病個体上の菌核は寄主組織の一部を含むことがある。病原菌は
Sclerotinia sp. とされているが、菌核の形状は Ciborinia の特徴を有しているので
Ciborinia sp. とするのが妥当と考えられる。なお、今後発生拡大の恐れもあるので注意を要する。