数年前より訓子府町のトウキ畑で発生が認められており、苗の定植3週間後の6月上頃から約1カ月に渡り、主として根頚部、ときに根の先端部と中間部及び葉柄基部に発生がみられる。病徴は根の表皮の一部が淡褐色になり、のち髄を含めて上下に拡大し、赤褐色〜暗赤褐色の大型病斑になる。根頚部の病状が進むと根くびれ症状を呈し、株全体が枯死する。
病斑部から柄子殻を形成する菌が分離され、トウキの根、センキュウの根茎及びにんじんの根に病原性が認められた。本菌の柄子殻は大部分が組織外に露出し、表面平滑、黒褐色、球形または扁球形で、大きさ 62〜361×72〜370μmである。柄胞子は無色、楕円形、ときに扁卵形、単胞、大きさ2.6〜6.2×1.2〜2.6μmで2個の油球を有する。
このことから病原菌は Phoma sp. と考えられ、今後精査して同定を要するが、根腐病と命名された。