昭和53、54年のトウガラシ畑の調査から、既往のキュウリモザイクウイルス(CMV)によるモザイク病の発生が多かったほか、新たにタバコモザイクウイルス(TMV)の発生を札幌市で、アルファルファモザイクウイルス( AMV)の発生を門別町で認めた。
TMV による病徴は、葉に明瞭なモザイク症状を示し、小形で萎縮や奇形を呈するものもあり、株全体が萎縮する。病状の激しい株は茎葉や果実にえそを現わし、落葉したり、奇形果を生ずる。
AMV による病徴は、はじめ葉脈に淡黄色を呈し、のち不整形の輪紋からなる鮮黄色斑紋を現わす。病勢が進むと葉は奇形になる。またトウガラシの種類によっては一時的にえそを生ずることもあり、株は萎縮する。
TMV は接触、種子及び土壌伝染し、特に土壌中で永く活性を保ち、土着する可能性もあるので連作を避ける必要がある。また、AMV はほ場周辺の雑草化したクローバなどが多数保毒しており、アブラムシによって容易に伝搬される。このようなことから、今後の発生に十分注意を要する。