北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和52年7月、訓子府町(農試)のたまねぎ畑で、地上部が萎凋症状を呈する株が認められた。その球部はいずれもハエ類幼虫が寄生しており、この部位が腐敗する。腐敗部から変法ドリガルスキー培地上に緑泥色のコロニーを形成する細菌が分離された。
本菌を葉身基部に有傷接種すると、接種部位は水浸状となり、葉は下垂する。球部に接種すると、接種部位の周囲は水浸状となり、かんぼつする。しかし、病変組織の軟化は認められなかった。本菌は生理、生化学及び培養的諸性質を検討した結果、Erwinia 属細菌に一致したが該当種がなく、本菌を
Erwinia bulbicola TANAKA et TSUBOKI と同定された。なお、病名につき検討中である。