北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和51年7月28日に札幌市西岡のだいこん「時無大根」約 10aに発生が認められたほか、10月21日に同小別沢の「聖護院」約2haのうち約2%に被害があった。
病徴は、収穫時の大根を横断すると維官束部が輪状に黒点をちりばめたように黒色を呈し、変色部は軟化腐敗することがない。病根から
Verticillium dahliae KLEBAHN が分離され、病原性が確認された。
この症状は、発病畑土壌及び石狩町花畔の発生不詳のだいこん畑土壌を用いた鉢試験でも確認することができ、バーティシリウム黒点病と命名したい。なお、本症状は三浦大根の黒点輪腐病(水沢芳名、1977、今月の農薬、21巻9号、Pseudomonas marginalis )に酷似する。
本病原(V.dahliae )は道内各地の種々の野菜で発生が認められており、今後さらに発生拡大の恐れがあるので注意を要する。