北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
オンシツコナジラミ Trialeurodes vaporariorum WESTWOOD は昭和49年3月我国で初めて広島県で発見され、以来数県に及び注目されていたが、昭和50年3月に本道でも札幌市の温室内で発見された。その後道南を中心に各地で発生が認められ、現在まで7支庁15市町30筆に及んだ。発生場所は温室が主体のほかビニールハウスおよび室内であり、その寄生植物はランタナ、ホクシャ、ハイビスカス、ガーベラ、ポインセチアなど多種類に及んだほか、夏から秋にかけてはハウス周辺のトマト、なす、かぼちゃ、菜豆、だいこん、きゅうりおよび雑草などにも特に道南で寄生が認められた。しかし、これら作物では寄生時期が遅かったため被害は認められなかったが、花卉では一部でスス病のため商品価値の低下があった。
本虫は寄主範囲が極めて広く、薬剤防除がかなり困難であり、さらに今後発生地域拡大の恐れがあるので、花木や花卉などの導入および移動には十分な注意が必要であり、蔓延拡大の防止に努める要がある。