北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和49年4月、札幌市で発生が認められたが、その後の調査により全道に分布しており、露地及びハウス栽培の「宝交早生」及び「ダナー」など数品種に発生してるいことが判った。
病徴はえそによる幼芽の枯死が特徴であるが、若葉の裏面脈間が帯状に退緑してのち褐変し、その表面はやや黄色となり、病勢が進むとえそを生ずる。中位葉では各小葉が盃状を呈し、葉面が顕著な波状となる。
これらの病徴は老葉には認められない。罹病株から生じたランナーの子株は、親株と同様の病状を呈する。本病の重症株は枯死に至るが、病株の多くはえそを伴わない新葉を生じ、一見回復したかのように思われるが、再び病徴を発現する。
本病は、小葉接木により容易に伝染することが明らかとなり、ウイルス性の病害と考えられる。なお、アブラムシ、汁液、接触及び土壌伝染は認められなかった。
今後、病原ウイルス及び伝播方法などにつき精査を要するが、本症状は道内に広く発生しているので、健全種苗の導入、病株の抜き取り処分を行なうなど、その発生に注意を要する。