北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[昭和51年度新発生病害虫]
昭和51年8月13日、芽室町西新生の「アカネダイナゴン」約2haのうち、1haにほぼ同心円状に異状株の発生が認められ、早期感染とみられる株はすでに萎凋枯死していた。
病徴は、はじめ葉柄基部あるいは葉のつけねが暗褐色または黒褐色を呈し、主茎及び葉柄にも進展して暗褐色ないし褐色となり、ときには外葉に条状の陥没部を生ずる。さらに葉柄は次次に垂れ下り、葉脈が暗褐色となり、葉は褐変萎凋し、株全体が萎凋枯死する。
一方、昭和51年8月中旬、札幌市篠路の水田転換畑の小豆「宝小豆」約 20aに、畦に没って点々と異状株の発生が認められた。病徴は、茎の地際部または節部に病斑を生じ、茎の片側に赤褐色の条斑を作る。葉は落葉しがたく、株は立枯症となる。根は外観健全であるが、維官束が褐変しており、末期に消失する。病組織は軟化腐敗することがなく、また維官束の褐変は病斑に先行する。
なお、昭和44年頃長沼町及び昭和48年芽室町において同症状が認められていた。これら両地点の病原は
Phytophthora 属菌によるが、今後種の同定、両地点における菌の異同及び病名をはじめ生態につき検討を要する。また、発生の定着することも考えられるので、発生地では輪作を励行するほか、被害茎葉の処分及び健全種子の使用など、その発生に十分な注意を要する。