平成15326
北海道病害虫防除所発行

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 発生予察情報第1号   長期予報


 

 

平成15年度暖候期予報
4月から9月までの天候見通し)

 

平成15310
札幌管区気象台発表

<夏(68月)の気温の各階級の確率(%)>
[気 温]

北海道地方

20

50

30

高い

平年並

低い


夏平均気温(68)は、「平年並」の可能性が大きく、その確率は50%です。次に大きいのは「低く」なる可能性で、その確率は30%です。

<可能性の大きな天候見通し>

春(45月)

平年と同様に、高気圧と低気圧が交互に通り、天気は数日の周期で変わるでしょう。この期間の 平均気温は平年並、降水量も平年並の見込みです。

夏(69月)

おおむね天気は周期的に変わるでしょう。7月 後半から8月の盛夏期には太平洋高気圧に覆われ晴れて暑い日もありますが、オホーツク海高気圧や前線の影響を受け、天気がぐずつき低温の続く時期もあるでしょう。この夏の平均気温は平年並ですが、気温の変動が大きいでしょう。また、降水量は多く、局地的大雨の発生する時期がある見込みです。

また、321日付け発表の3ヶ月予報によると、根雪の終日は以下のように予想されています。

長期積雪(根雪)の終日:現在の積雪は、東部の一部を除いて平年を上回っている所が多く、今後3月に一時高温となるが、4月は低温を予想しているため、平年並か平年より遅れる所が多い見込み。
特に遅れるところは、

2週間以上遅れる所:

帯広を含む十勝北部・中部

12週間遅れる所:

北部の北見枝幸・雄武、空知地方、上川地方、羽幌を含む留萌地方の一部、広尾を含む十勝地方南部、釧路北部・中部。函館を含む渡島地方、留辺蘂を含む北見地方の一部。


上記暖候期予報および近年の発生状況より平成15年度に多めの発生が予想される病害虫は以下のとおりです。

1.大豆のべと病

 7月後半から8月の盛夏期には、天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。また、ここ数年の発生量はやや多めであったため、種子伝染する可能性が高い。本病の防除にあたっては、健全種子を使用するとともに、品種 に対応した農薬散布を実施する。

2.小豆・菜豆の灰色かび病

7月後半から8月の盛夏期には、オホーツク海高気圧や前線の影響を受け、天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されているため、発生量はやや多くなると予想される。

3.ばれいしょの疫病

7月後半から8月の盛夏期には、オホーツク海高気圧や前線の影響を受け、天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されているため、発生量はやや多くなると予想される。本病に対しては初発生期予測システム「FLABS」による予察情報を活用し、初期防除の適正化をはかる。

4.ばれいしょの 粉状そうか病

本病は塊茎形成期以降に雨の日が多くなると発病に好適となるが、7月後半から8月には天気がぐずつく時期があり、降水量が多いと予報されている。

5.てんさいの褐斑病

7月後半から8月の盛夏期には太平洋高気圧に覆われて晴れて暑い日もあり、平均気温は平年並であるが降水量が多く局地的大雨の発生する時期があると予報されていることから、発生量はやや多くなると予想される。

6.りんごの腐らん病

近年多発生で推移しており、被害部の削り取りや薬剤塗布が十分に行われていない現状にあるため、本年も引き続き多発が予想される。発芽前の薬剤散布、被害部の削り取りや薬剤の塗布などを徹底する。

7.だいこんのキスジトビハムシ

昨秋の発生量はやや多めだったことから、成虫の越冬密度も高いと考えられる。6月下旬〜8月上旬播種の作型で被害が多いので、粒剤施用により防除を実施する。

8.各作物の軟腐病

7月後半〜8月にかけて、平均気温は平年並だが、降水量は多く、局地的大雨の発生する時期があると予報されている。そのため、ばれいしょ、たまねぎおよびアブラナ科野菜(夏期に収穫する作型)で軟腐病の発生量がやや多くなると予想される。本病に対しては、多窒素栽培を避けることを基本とし、耐性菌の出現を防ぐため、ローテーション散布で対応する。

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平成15年度の病害虫の発生予想

注1)近年の発生状況:平年値(過去10年間の平均値)と比較した値。
   :やや多〜多  :並  :やや少〜少
 2)初発期:予察ほの平年値。*:予察ほで調査していないため、一般的な値。

1.水稲

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

水稲

ばか苗病

-

苗立枯病(細菌病含)

-

縞葉枯病

いもち病(葉)

いもち病(穂)

紋枯病

イネミギワバエ

やや少

イネミズゾウムシ

ヒメトビウンカ

やや少

イネドロオイムシ

フタオビコヤガ

やや少

アカヒゲホソミドリカスミカメ

ニカメイガ

 

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2.麦類

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

麦類

赤さび病

うどんこ病

赤かび病

-

眼紋病

-

ムギキモグリバエ

やや少

 

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3.豆類

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

大豆

べと病

やや多

解説

わい化病

-

食葉性鱗翅目幼虫

マメシンクイガ

タネバエ

-

小豆

菌核病

灰色かび病

やや多

解説

茎疫病

-

食葉性鱗翅目幼虫

菜豆

菌核病

灰色かび病

やや多

解説

黄化病

タネバエ

-

 

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4.ばれいしょ・てんさい・たまねぎ

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

ばれいしょ

疫病

やや多

解説

軟腐病

やや多

解説

黒あし病

そうか病

-

粉状そうか病

-

やや多

解説

アブラムシ類

てんさい

褐斑病

やや多

解説

根腐病

テンサイモグリハナバエ

やや少

ヨトウガ(第1回)

ヨトウガ(第2回)

たまねぎ

白斑葉枯病

軟腐病

やや多

解説

乾腐病

-

タマネギバエ

-

ネギアザミウマ

 

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5.りんご

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

りんご

モニリア病

黒星病

斑点落葉病

腐らん病

-

やや多

解説

ハマキムシ類

やや少

モモシンクイガ

やや少

キンモンホソガ

やや少

ハダニ類 リンゴハダニ
ナミハダニ


やや少

 

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6.あぶらな科野菜

作物名

病害虫名

近年の発生状況

発生予想(平年対比)

10

11

12

13

14

発生期

発生量

あぶらな科野菜

軟腐病(だいこん)

-

やや多

解説

軟腐病(はくさい)

コナガ(キャベツ)

-

ヨトウガ(キャベツ)

キスジトビハムシ(だいこん)

やや多

解説

 



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