平成14年度　病害虫発生予察情報第17号

8月月報

平成14年9月12日　北海道病害虫防除所
（連絡先：Tel.0123(89)2080）

前編 後編
気象概況
A.水稲
B.とうもろこし
C.豆類
D.ばれいしょ
E.てん菜
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜

E.てんさい
1.褐斑病　　　　 　　　　　発生量　　少
予察ほにおける発生量は、長沼町および芽室町で少、訓子府町でやや多であった。巡回調査によると一般ほでは全道的に少発生であった。

地点 品種名 発病度 平年数
8.II 8.IV 8.VI
本年 平年 本年 平年 本年 平年
長沼町 モノエースS - 35.0 - 65.8 - 92.5 7
めぐみ 8.0 11.2 15.6 35.4 23.6 42.8 2
アーベント 1.2 6.4 4.4 26.4 14.8 31.8 2
訓子府町 モノエースS 18.8 9.7 26.8 22.7 46.0 36.3 10
アーベント 2.4 - 10.8 - 16.4 - 0
芽室町 モノエースS 2.4 8.5 6.7 19.9 8.0 33.1 10

巡回調査データ　（発病株率：％）
支庁 普及センター 8月3半旬 8月6半旬 支庁 普及センター 8月3半旬 8月6半旬
石狩 石狩南部(2) 1.5 - 胆振 東胆振(2) 3.0 4.5
後志 中後志(2) 0.0 0
空知 空知南東部(2) 5.0 25.0 十勝 十勝西部(3)
十勝中部(4)
十勝東部(4)
十勝東北部(4)
十勝南部(3)
十勝北部(3)		 0.0
0.0
0.4
0.0
0.0
0.0		 0.0
0.5
1.0
-
0.7
0.0
上川 士別(1)
上川北部(5)
大雪(3)		 0.0
0.0
0.0		 0.0
0.0
5.7
網走 清里(3)
美幌(3)
北見(4)
紋別(3)
湧別(2)		 0.0
2.9
1.0
3.5
2.3		 0.0
6.7
9.3
6.5
-.0
根室 北根室(2) 0.0 0.0
()内は調査地点数

2.ヨトウガ（第2回） 　　 　　　　 発生期　やや早　　　発生量 やや少〜並
予察灯による第２回成虫の誘殺数は、各定点とも平年より少ない。予察ほにおける被害程度は平年並に推移している。
巡回調査によると、一般ほにおける食害株率は昨年並かやや少ない地点が多い。

てんさいヨトウガ食害株率　巡回調査データ
支庁 普及センター 8月6半旬 支庁 普及センター 8月6半旬
石狩 石狩南部(2) 0% 胆振 東胆振(2) 0%
後志 中後志(2) 3.0%
空知 空知南東部(2) 17.0%
上川 士別(1)
上川北部(5)
大雪(3)		 7.0%
0.2%
10.0%		 十勝 十勝西部(3)
十勝中部(4)
十勝東部(4)
十勝南部(3)
十勝北部(3)		 0%
0%
4.2%
2.0%
7.7%
網走 清里(3)
美幌(3)
北見(4)
紋別(3)		 10.7%
16.8%
1.0%
27.1%
根室 北根室(2) 18.0%
()内は調査地点数

F.りんご
1.黒星病 　　　　 　　　　　　 発生量　　並
長沼町の予察園での発生量は平年並に推移している。巡回調査によると、一般園では、渡島支庁管内でやや多発している他は、平年並の少発生に推移している。

地点 品種名 　 8.VI 平年数
病葉率(%) 発病度　
長沼町 スターキング
デリシャス		 本年 88.4 37.9 10
平年 79.4 42.2
ふじ 本年 83.8 36.6 5
平年 86.5 36.3

2.斑点落葉病　　　　 　　　　 発生量　　並
長沼町の予察園での発生量はやや少なく推移している。巡回調査によると、一般園では、常発地帯で平年並に発生している。

地点 品種名 調査枝 　 8.VI 平年数
病葉率(%) 平均病斑数1)
長沼町 スターキング
デリシャス		 新梢 本年 36.6 3.5 8
平年 69.0 3.3
徒長枝 本年 35.5 0.8 62)
平年 60.4 2.1
注1）葉1枚あたりの平均病斑数。
注2）徒長枝の平均病斑数の平年数は5年。

巡回調査データ
支庁 普及センター 病葉率(%)
8月3半旬
渡島 渡島中部(1) 38.0
後志 北後志(2) 7.0
空知 空知東部(3)
空知北部(4)		 0.0
0.0
留萌 南留萌(2) 10.1
()内は調査地点数

3.モモシンクイガ　　　　 　　　発生量　　やや少〜やや多
長沼町の予察園における被害果率は平年よりも高かった。フェロモントラップによる誘殺数は余市町では平年並で、長沼町および仁木町では平年よりも少なかった。
　
月・半旬 被害果率
長沼町
本年 平年
8・I 75 39.3
8・II 61 44.1
8・III 88 55.8
8・IV 91 71.2
7・V 96 34.8
8・VI 100 79.1

フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町
本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 12 77.6 70.7 58.4 10.7 45.8
8・II 5 45.9 60.4 51.4 2.7 44.1
8・III 5 41.3 46.3 52.6 2.9 43.8
8・IV 7 19.5 28.9 41.2 6.1 38.8
7・V 6 14.7 27.1 29.6 9.4 36.0
8・VI 20 8.7 26.0 23.7 10.8 42.4


4.ハマキムシ類　　　　　 　　　　 発生量　　やや少〜並
8月の被害新梢率および被害果率は各定点とも0％であった。フェロモントラップによる誘殺数は、リンゴモンハマキは平年並で、リンゴコカクモンハマキは長沼町で平年並、余市町および仁木町では平年よりも少なかった。

　 リンゴモンハマキ リンゴコカクモンハマキ
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 長沼町 余市町 仁木町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 0 4.9 0 0.9 0 1.5 0 0.5 0 1.6 0 2.7
8・II 0 1.7 0 0.1 0 0.4 3 3.8 0 2.0 0 2.9
8・III 0 2.8 0 0.1 0 0.3 7 8.3 0.7 6.3 0 11.6
8・IV 2 7.4 0 0.1 0 0.3 10 12.2 1.7 11.6 0 16.6
8・V 16 20.0 0 0.0 1.5 0.6 10 10.1 5.2 19.4 2.5 20.1
8・VI 70 37.1 0.8 0.3 1.5 2.1 13 8.3 6.8 23.7 2.9 17.6

5.キンモンホソガ　　　　　　　　　発生量　　やや少
予察園における被害葉率は、各地点とも平年よりも低く推移している。フェロモントラップによる誘殺数は、余市町では平年よりも多く、長沼町および仁木町では平年よりも少なかった。

月・半旬 フェロモントラップ誘殺数 被害葉率(%)
長沼町 余市町 仁木町 長沼町 余市町 仁木町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 83 185.7 282.1 265.0 64.3 514.1 3 - - - - -
8・II 36 255.7 416.4 197.7 112.3 997.3 3 11.4 1 0.75 0 0.10
8・III 3 151.7 469.1 190.2 252.3 1012.2 4 - - - - -
8・IV 38 161.9 497.8 281.5 444.4 1171.9 4 16.7 0 4.60 0 0.33
8・V 20 232.4 599.6 292.3 324.8 875.8 - 　 - - - -
8・VI 33 599.9 745.5 389.3 273.0 1131.7 0 32.2 - 6.40 - 6.57

6.ハダニ類　　　　　　　　　　　　発生量　　少
予察園におけるハダニ類の発生はごく少なく、リンゴハダニは卵が散見される程度であった。ナミハダニは長沼町では観察されず、余市町および仁木町では8月2半旬以降、1卵/30葉（平年16〜45卵/30葉）とわずかな発生が見られた。

G.たまねぎ
1.白斑葉枯病　　　　　 　　　発生量　　やや多
予察ほにおける発生量は長沼町で多く、訓子府町では平年並だった。

地点 品種名 　 8・II 平年数
発病株率(%) 発病度
長沼町 天心 本年 100.0 100.0 10
平年 98.3 61.3
訓子府町 スーパー北もみじ 本年 100.0 60.0 8
平年 89.3 72.0


2.軟腐病　　　　　　　　　発生量　　並
長沼町の予察ほでの発病球率 3.2％（平年：2.8%）と平年並であった。網走支庁管内の一般ほでは平年並の発生であった。

3.乾腐病　　　　　　　　　発生量　　並
長沼町の予察ほでの発病球率 2.1％（平年：2.2%）と平年並であった。網走支庁管内の一般ほでは平年並の発生であった。 　

H.あぶらな科野菜
1.軟腐病　　　　　　　　　　　　　発生量　　やや多
長沼町の予察ほでの発生量は、はくさいで多く、だいこんで平年並であった。
　
作物 はくさい だいこん
地点 長沼町 長沼町
作期 晩春播き 初夏播き 晩春播き 初夏播き 夏播き
品種 無双 無双 おしん 耐病総太 耐病総太
月半旬 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8.II 54.2 23.6 00 - 4.5 - 0.0 11.0 - -
8.IV 92.8 7.2 6.3 - - - 4.2 1.5 - -
8.VI 90.8 11.1 18.6 - - - 4.1 - 0.0 0.2
平年数 6 0 3 6 6


2.コナガ　　　　 　　　　 発生量　　少
フェロモントラップによる雄成虫の誘殺数は、大野町、長沼町、滝川市、訓子府町（雑草地）、芽室町とも平年より少なく推移している。大野町および長沼町における幼虫および蛹の寄生数も平年を下回っている。

月・半旬 フェロモンによる誘殺数 10株当たり寄生虫数
大野町 長沼町 大野町 長沼町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 9 52.0 45 169.2 - - 6 -
8・II 29 40.9 55 155.8 6 73.7 29 18.5
8・III 21 31.9 68 93.8 - - - 50.1
8・IV 21 46.5 16 74.0 7 87.4 12 40.0
8・V 3 57.3 12 48.0 - - 10 34.1
8・VI 6 53.8 30 53.0 5 135.1 9 22.4

3.モンシロチョウ　　　　　発生量　　やや少〜並
成虫発生量は大野町、長沼町とも平年よりも少なかった。幼虫発生量は大野町では平年並で、長沼町では平年よりも少なかった。

月・半旬 成虫数 10株当たり寄生虫数
大野町 長沼町 大野町 長沼町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I - - 1 7.9 - - 3 12.0
8・II 0 5.2 2 8.8 29 25.7 0 5.1
8・III - - - 20.4 - - - 4.9
8・IV 1 3.2 11 20.8 36 35.6 1 11.9
8・V - - 10 18.9 - - 7 13.8
8・VI 1 6.9 8 16.7 33 22.9 17 13.6
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