平成13年度 病害虫発生予察情報 第16号

8月月報

平成13年9月10日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)

 


前編 後編
気象概況
A.水稲
B.秋まき小麦
C.豆類
D.ばれいしょ

E.てん菜
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜

E.てんさい

1.褐斑病          発生量  並
予察ほにおける発生量は、長沼町および芽室町で少、訓子府町で平年並であった。巡回調査によると石狩・空知・網走支庁管内の一部で8月下旬に病株率が急増したが、いずれも発病度は低かった。

地点 品種名 発病度 平年数
8.II 8.IV 8.VI
本年 平年 本年 平年 本年 平年
長沼町 モノエースS - 7.5 - 14.9 - 26.1 8
めぐみ 7.6 14.8 23.6 47.2 23.6 62.0 1
アーベント 8.8 4.0 21.6 31.2 22.8 40.8 1
訓子府町 モノエースS 15.6 9.0 22.4 22.7 40.8 35.8 9
芽室町 モノエースS 6.4 9.8 14.1 21.3 23.2 34.5 10

巡回調査データ (発病株率:%)
支庁 普及センター 8月3半旬 8月6半旬 支庁 普及センター 8月3半旬 8月6半旬
石狩 石狩南部 6.7 20.0 胆振 西胆振
東胆振
1.5
2.0
9.0
2.5
後志 中後志
南羊蹄
0.0
0.0
-
-
空知 空知南東部 5.5 22.0
十勝 十勝西部
十勝中部
十勝東部
十勝東北部
十勝南部
十勝北部
4.0
0.0
0.0
5.5
0.0
1.0
-
-
-
-
-
-
上川 士別
上川北部
大雪
富良野
4.0
0.0
1.3
8.0
-.0
0.7
1.0
網走 網走
清里
美幌
北見
紋別
湧別
7.0
5.0
2.0
2.0
0.8
1.7
8.6
30.7
3.3
2.0
23.5
-.0
釧路 釧路北部 0.0 -
根室 北根室 1.3 1.3


2.ヨトウガ(第2回)         発生量  やや少
予察灯による第2回成虫の誘殺数は各定点とも少ない。
巡回調査によると、空知・上川・網走・根室支庁管内の一部で食害株率が高くなっているが、食害程度は低かった。

てんさいヨトウガ食害株率 巡回調査データ
支庁 普及センター 8月6半旬 支庁 普及センター 8月6半旬
石狩 石狩南部 1.3 網走 網走
清里
美幌
北見
紋別
12.4
28.3
2.7
7.5
62.0
空知 空知南東部 23.0
上川 士別
富良野
大雪
34.0
17.3
4.3
根室 北根室 25.0
胆振 東胆振
西胆振
1.5
4.0

F.りんご

1.黒星病             発生量  並
長沼町の予察園での発生量は「スターキングデリシャス」で平年より多く、「ふじ」でやや少なく推移している。巡回調査によると、一般園では、防除の徹底により平年並の少発生に推移している。

地点 品種名   8.VI 平年数
病葉率(%) 発病度 
長沼町 スターキング
デリシャス
本年 93.6 72.4 10
平年 78.2 37.9
ふじ 本年 80.9 26.4 4
平年 87.9 38.7

2.斑点落葉病          発生量  やや多
長沼町の予察園での発生量は病葉率は高いが平均病斑数はやや少から並で推移している。巡回調査によると、一般園では、渡島・留萌および胆振支庁管内でやや多発している。

地点 品種名 調査枝   8.VI 平年数
病葉率(%) 平均病斑数1)
長沼町 スターキング
デリシャス
新梢 本年 80.2 2.64 7
平年 67.4 3.45
徒長枝 本年 75.2 2.20 52)
平年 57.5 2.08
注1)葉1枚あたりの平均病斑数。
注2)徒長枝の平均病斑数の平年数は4年。

巡回調査データ
支庁 普及センター 病葉率(%)
8月3半旬
渡島 渡島中部 19.7
後志 北後志 0.0
空知 空知東部
空知北部
0.0
1.0
留萌 南留萌 29.8
胆振 西胆振 29.1


3.モモシンクイガ        発生量  少
フェロモントラップによる誘殺数は余市町・七飯町を除いて各地とも少なく、長沼町の予察園における産卵数もごく少なかった。巡回調査によると、各地点とも産卵数は0であった。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町 壮瞥町* 伊達市 深川市 七飯町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 本年 本年 本年
8・I 16 89.5 92.6 50.0 18.9 45.2 9 49 2.0 7 11.3 25.0
8・II 4 52.4 67.4 45.8 21.8 42.1 3 20 2.3 0 5.4 49.6
8・III 3 42.9 48.0 48.9 20.6 42.1 0 22 1.0 12 2.9 48.6
8・IV 0 20.8 37.1 39.1 8.6 38.2 0 12 2.3 5 2.6 37.9
7・V 3 16.5 45.7 28.4 12.6 41.1 5 16 4.7 4 2.9 17.1
8・VI 3 37.0 37.0 23.3 18.1 46.9 0 10 5.3 35 4.1 6.9
*3地点の平均値

4.ハマキムシ類           発生量  少
リンゴコカクモンハマキ、リンゴモンハマキともフェロモントラップによる誘殺数は長沼町では多めであったが他地域では少なかった。8月の被害新梢率は長沼町で0%(平年:3.1%)と少なかった。

リンゴモンハマキ フェロモントラップ誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町 壮瞥町 七飯町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 0 4.9 0 0.9 0 1.4 0 0 0 2.1
8・II 0 1.7 0 0.1 0 0.4 0 0 0 1.0
8・III 2 3.0 0 0.1 0 0.3 0 0 0 0.4
8・IV 6 7.1 0 0.1 0 0.3 0 0 0 0.0
8・V 81 14.6 0 0.0 0 0.6 0 1 0 8.6
8・VI 58 32.1 0 0.4 0.3 2.1 0 0 0 3.4

リンゴコカクモンハマキ フェロモントラップ誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町 壮瞥町* 伊達市 七飯町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 本年 平年
8・I 0 1.4 0.0 1.6 0.1 2.8 0 4 0.0 0 1.4
8・II 0 6.5 0.4 2.1 0.4 3.2 0 8 0.0 0 0.9
8・III 22 8.2 0.9 6.5 0.7 12.0 0 18 0.0 0 3.0
8・IV 26 9.8 1.4 12.5 0.7 16.6 0 36 0.0 0 6.4
8・V 22 9.7 0.9 20.1 1.3 20.0 0 29 0.3 0 5.7
8・VI 5 7.9 1.1 24.4 0.9 17.6 0 13 0.0 0 2.3
*3地点の平均値

5.キンモンホソガ         発生量  やや多
フェロモントラップによる誘殺数は長沼町では平年並で、余市町・増毛町では平年よりも多く、仁木町では平年よりも少なかった。被害葉率は長沼町の予察園では平年並で、巡回調査によると余市町では多く、仁木町では少なく推移している。

キンモンホソガ フェロモントラップ誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町 壮瞥町 伊達市 七飯町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 本年 平年
8・I 396 162.3 1390.3 140.0 151.3 554.4 51 5.8 37 25 1570.0
8・II 346 245.6 807.1 807.1 267.7 1078.4 275 8.0 178 341 3562.0
8・III 170 149.6 542.3 542.3 305.7 1090.7 12 18.0 155 45 3060.0
8・IV 92 169.7 1277.1 1277.1 197.1 1280.2 1 39.5 59 11 1560.0
8・V 21 255.9 1494.3 1494.3 380.0 930.9 39 42.5 106 0 1277.1
8・VI 275 636.0 2435.8 2435.8 727.4 1182.3 318 38.0 197 5 510.9

6.ハダニ類            発生量  やや少
長沼町の予察園では、リンゴハダニの発生は平年並でナミハダニは平年より多発生となった。巡回調査によると、余市町・仁木町では両種とも平年より少なめの発生となっている。

長沼町
リンゴハダニ ナミハダニ
月・半旬 雌成虫 雌成虫
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8.II 1.7 5.7 27.0 20.4 2.2 0.3 9.4 1.3
8.IV 8.4 7.9 33.6 23.4 3.5 0.7 18.2 1.9
8.VI 1.3 5.1 11.8 15.1 5.2 1.0 18.2 3.3

余市町・仁木町
リンゴハダニ ナミハダニ
月・半旬 雌成虫 雌成虫
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8.II 0.27 0.11 0.00 1.09 0.12 0.50 0.23 0.72
8.IV 0.02 0.19 0.67 1.67 0.00 0.37 0.00 1.50
8.VI 0.00 0.41 0.55 2.92 0.12 0.79 0.00 0.55

G.たまねぎ

1.白斑葉枯病         発生量  多
予察ほにおける発生量は長沼町・訓子府町とも多かった。

地点 品種名   8・II 平年数
発病株率(%) 発病度
長沼町 スーパー北もみじ 本年 100.0 70.5 10
平年 98.0 59.8
訓子府町 スーパー北もみじ 本年 100.0 84.5 7
平年 87.7 70.2
注)長沼町の平年値は「空知黄」「ウルフ」「スーパー北もみじ」。
訓子府町の平年値は「北もみじ86」「スーパー北もみじ」。

2.軟腐病         発生量  やや少
長沼町の予察ほでの発生量は平年より少なかった。

3.乾腐病         発生量  やや少
長沼町の予察ほでの発生量は平年より少なかった。  

H.あぶらな科野菜

1.軟腐病             発生量  やや少
長沼町の予察ほでの発生量は、だいこん・はくさいとも少であった。

2.コナガ          発生量  少
フェロモントラップによる雄成虫の誘殺数は、各定点とも平年より少なく経過した。寄生幼虫数も大野町・長沼町とも平年より少ない。

月・半旬 フェロモンによる誘殺数 10株当たり寄生虫数
大野町 長沼町 大野町 長沼町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I 12 58.8 95 160.8 - - - -
8・II 16 44.7 101 146.2 - 82.2 3 17.0
8・III 16 32.2 71 87.0 - - - -
8・IV 16 46.2 48 70.3 15 125.5 32 36.8
8・V 36 58.3 43 44.0 - - - -
8・VI 4 55.4 55 48.4 47 132.0 5 22.9

3.モンシロチョウ     発生量  やや少
成虫発生量は大野町・長沼町とも平年より少なかった。寄生幼虫数は大野町では平年よりも少なく、長沼町では平年並であった。

月・半旬 成虫数 10株当たり寄生虫数
大野町 長沼町 大野町 長沼町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
8・I - - 0 10.5 - - 3 13.6
8・II - 6.3 3 12.6 - 23.6 0 5.1
8・III - - 12 28.0 - - 1 4.8
8・IV 0 4.6 9 22.8 19 36.6 15 12.5
8・V - - 11 18.3 - - 15 14.3
8・VI 1 6.9 15 15.4 11 24.0 12 14.4
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