平成12年度　病害虫発生予察情報　第21号

7月月報

平成12年8月14日　北海道病害虫防除所

（連絡先：予察課　Tel.01238(9)2080（内）323

　　　　　Fax.01238(9)2082）

　

前編 後編
気象概況
A.水稲
B.秋まき小麦
C.豆類
D.ばれいしょ
E.てん菜
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜

E.てんさい
1.褐斑病　　　　 　　　　　　発生期　　やや早 　　発生量 　並
初発は各予察ほとも平年よりやや早かった。発生量は長沼町で平年並、訓子府町・芽室町で平年より多く推移している。 普及センターからの報告によると、一般ほでの発生量は網走支庁管内の一部で多発している。上川・胆振・十勝および釧路支庁管内でも初発が確認されている。
予察ほでの発生状況
地点 品種名 初発日 発病度 平年数
7.II 7.IV 7.VI
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
長沼町 モノエースS - 7月22日 - 0.1 - 0.7 - 2.3 8
めぐみ 7月15日 - 0.0 - 0.4 - 2.4 - 0
アーベント 7月15日 - 0.0 - 0.8 - 1.6 - 0
訓子府町 モノエースS 7月18日 7月26日 0.0 0.0 1.6 0.3 16.4 1.2 8
芽室町 モノエースS 7月18日 7月21日 0.0 0.0 1.1 0.6 5.3 2.9 9
ストーク 7月18日 7月22日 0.0 0.0 0.5 0.8 4.3 3.8 2

2.ヨトウガ 　　 　　　　 発生量 やや多
第1世代幼虫による被害は長沼町では少なかったが、芽室町・訓子府町では多くなった。普及センターからの報告では、網走・胆振・十勝支庁管内で被害が多めとなった。

F.りんご
1.黒星病 　　　　 　　　　　　 発生量　　並
長沼町の予察園での発生量は多めに推移している。普及センターからの報告によると、一般園での発生量は渡島・空知・留萌・胆振いずれの支庁管内でも平年並の少発生である。
予察園での発生状況
地点 品種名 　 発病率 平年数
7.II 7.IV 7.VI
長沼町 スターキング
デリシャス		 本年 30.9 36.3 46.3 10
平年 16.1 25.0 32.0
ふじ 本年 32.2 32.5 36.9 3
平年 17.3 20.2 32.4

2.斑点落葉病　　　　 　　　　 発生量 並
長沼町の予察園での発生量は平年より多く推移している。普及センターからの報告によると、一般園での発生量は平年並である。
予察園での発生状況
地点 品種名 　 新梢病葉率（％） 徒長枝病葉率（％）
7.II 7.IV 7.VI 7.II 7.IV 7.VI
長沼町 スターキング
デリシャス		 本年 17.5 25.0 52.8 12.5 28.4 51.5
平年 8.9 27.7 34.4 8.2 21.8 29.6
注）新梢病葉率の平年数6年、徒長枝病葉率の平年数3年。
3.ハマキムシ類　　　　　 　　　　 発生量　　並〜やや多
長沼町のフェロモントラップによるコカクモンハマキの誘殺数は多めであったが、リンゴモンハマキは平年並であった。普及センターからの報告によると、余市町の一般園ではコカクモンハマキは平年よりも多く、余市町・仁木町・増毛町ではリンゴモンハマキは平年並に推移している。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町
リンゴモンハマキ コカクモンハマキ リンゴモンハマキ コカクモンハマキ リンゴモンハマキ コカクモンハマキ
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・I 36 51.7 100 54.3 4.3 0.8 88.6 18.7 1 1 48 60
7・II 45 27.2 12 23.3 1.4 3.1 12.1 15.0 0 0 9 39
7・III 22 26.6 3 12.9 1.1 1.9 11.4 7.3 0 1 0 10
7・IV 21 24.2 2 0.9 1.5 2.8 7.5 4.6 1 1 0 5
7・V 11 12.9 0 0.2 3.0 1.2 3.0 2.1 0 0 0 3
7・VI 0 7.7 0 0.6 1.0 1.6 1.0 1.0 0 0 0 1

4.モモシンクイガ　　　　 　　　発生量 並〜やや多
長沼町の予察園でのフェロモントラップによる誘殺数は平年よりもやや少なく、産卵数も少なめに推移している。普及センターからの報告によると、余市町の一般園ではフェロモントラップによる誘殺数は多めに推移している。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・I 6 15.1 22.1 7.3 11.7 14.1 4 14
7・II 12 14.6 22.8 6.5 21.4 16.2 4 16
7・III 15 26.5 31.7 7.0 31.6 20.3 12 22
7・IV 43 39.0 40.2 6.3 44.5 23.5 18 32
7・V 19 28.1 44.4 11.9 53.7 34.9 35 79
7・VI 46 89.2 59.7 39.1 105.8 58.9 30 79

5.キンモンホソガ　　　　　　　　　発生量 並〜やや多
長沼町の予察園でのフェロモントラップによる第2回成虫の誘殺数は多めに推移した。普及センターからの報告によると、余市町・増毛町の一般園では平年より多めに、仁木町では平年より少なめに推移している。長沼町の予察園における被害葉率は平年より少なかった。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町 増毛町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・I 19 117.1 334.3 42.7 34.3 269.8 41 14
7・II 99 57.3 325.7 51.7 75.0 278.9 26 20
7・III 114 56.1 141.3 41.3 64.0 286.6 9 20
7・IV 259 73.1 18.3 27.0 41.3 225.0 60 6
7・V 89 99.3 18.1 15.4 18.1 194.5 41 18
7・VI 157 164.2 50.3 79.4 22.6 359.1 32 14

6.ハダニ類　　　　　　　　　　　　発生量　 やや少
長沼町の予察園ではリンゴハダニはやや少発生で、ナミハダニの発生は認められていない。余市町・仁木町の一般園ではリンゴハダニが少なく、ナミハダニは平年並である。

G.たまねぎ
1.白斑葉枯病　　　　　 　　　発生量 　やや多　　
長沼町の予察ほでの発生量は平年より少なく、訓子府町ではやや多い発生である。普及センターからの報告によると、一般ほでの発生量は空知支庁管内では少発生、網走支庁管内では一部で多発生、上川支庁管内ではほとんどのほ場で多発生であった。
予察ほでの発生状況
地点 品種名 初発日 病葉率 平年数
7.II 7.IV 7.VI
長沼町 スーパー北もみじ 本年 6月12日 2.5 13.0 5.5 10
平年 6月18日 19.1 29.3 44.8
訓子府町 スーパー北もみじ 本年 7月3日 5.0 20.0 66.0 6
平年 7月3日 7.4 25.4 48.4

2.ネギアザミウマ　　　　　　　　　発生量 やや多〜多
長沼町では成虫は平年並で、訓子府町では多く、幼虫発生量は長沼町、訓子府町とも平年より多かった。
25株当り寄生数
月・半旬 長沼町 訓子府町
成虫 幼虫 成虫 幼虫
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・I 23 35.4 　217 160.0 288 103.3 2815 754.8
7・II 120 54.1 311 418.3 276 74.4 3580 1601.0
7・III 218 83.6 572 396.3 967 125.0 3820 2177.5
7・IV 184 141.8 1607 906.2 53 290.5 1290 2496.9
7・V 84 81.2 1570 859.2 148 460.0 3340 2595.5
7・VI 67 162.7 4710 1205.1 62 396.8 2835 2485.0

H.あぶらな科野菜
1.軟腐病　　　　　　　　　　　　　発生量　　並〜やや多
長沼町の予察ほでの発生量は多かった。普及センターからの報告によると、一般ほでの発生量は渡島支庁管内で多発、網走支庁管内の一部でやや多発、石狩・空知および胆振支庁管内では少発生であった。
2.コナガ　　　　 　　　　 発生量　　やや多
雄成虫のフェロモントラップ誘殺数は、長沼町で多かったが、訓子府町では平年並、大野町ではやや少なかった。幼虫寄生数は7月の前半に多かったが、後半に急激に低下した。
月・半旬 フェロモンによる誘殺数 10株当たり寄生虫数
長沼町 大野町 訓子府町 長沼町 大野町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・I 75 78.8 46 116.1 73 91.0 　 　 　 　
7・II 112 86.1 52 179.7 102 71.4 7 38.5 1044 395.0
7・III 236 118.7 67 157.2 177 107.4 　 　 　 　
7・IV 401 174.5 59 153.6 143 154.4 113 104.7 749 48.5
7・V 880 182.7 93 140.6 190 155.2 　 　 　 　
7・VI 286 183.6 40 151.6 129 159.8 - 62.9 0 185.7

3.モンシロチョウ　　　　　発生量　　　　やや多
長沼町・大野町の予察ほでは、成虫数・幼虫数ともに発生量は多くなった。
月・半旬 成虫数 10株当たり寄生虫数
長沼町 大野町 長沼町 大野町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
7・II 9 7.8 100 15.3 0 3.4 86 9.2
7・IV 54 12.1 80 11.6 19 5.5 122 48.5
7・VI 5 3.2 1 2.2 - 10.4 1 83.3
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