平成12年度 病害虫発生予察情報 第16号

6月月報

平成12年7月12日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)

 


前編 後編
気象概況
A.水稲
B.小麦
C.豆類
D.ばれいしょ

E.てん菜
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜

E.てんさい

1.ヨトウガ     発生量 並
芽室町の予察灯では、成虫の誘殺は6月20日(平年:6月5日)と遅かったものの、訓子府町では平年並であった。被害は芽室町の6月6半旬で多めとなっているが、長沼町・訓子府町では少ない。普及センターからの報告によると、胆振支庁管内で多めの発生となっている。
2.テンサイトビハムシ     発生量 やや多
芽室町・訓子府町・長沼町の予察ほとも、成虫の発生期は平年並で、被害は多めとなった。
食害程度(25株当たり)
月・半旬 長沼町 芽室町 訓子府町
本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I  34 12.5  23 19.0  27 14.8
6・II  33 16.7  25 21.3  24 14.6
6・III  30 17.4  25 21.5  19.5 19.5
6・IV  27 16.0  25 20.6  16.5 15.7
6・V  25 15.2  25 19.8  10 18.3
6・VI  25 13.8  25 18.1   6 16.0

3.テンサイモグリハナバエ  発生量 やや少
訓子府町・長沼町の予察ほでは発生が少なかったが、芽室町の予察ほでは多発傾向となった。全道的には少なめの発生量であった。
被害葉率
月・半旬 長沼町 芽室町 訓子府町
本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I  0  0.0  0  0.1  0  0.0
6・II  0  0.2  0  0.4  0  0.0
6・III  0  0.2  5.1  3.4  0  0.8
6・IV  0  0.3 12.2  6.3  0  2.3
6・V  0  0.7 27.1  8.5  0  8.0
6・VI  0  0.6 28.2 10.1  0.4 11.1

F.りんご

1.モニリア病(実腐れ)  発生期 並   発生量 少
葉腐れは平年並の発生量であったが、実腐れは少なかった。
2.黒星病        発生期 早   発生量 並
長沼町の予察園での発生は平年より早く認められた。現在までの発生量は予察園では平年より多く推移している。普及センターからの報告によると、一般園では平年並の少発生である。

地点 品種名 初発日 病葉率 平年数
6.I 6.II 6.III 6.IV 6.V 6.VI
長沼町 ふじ 本年 5月24日  6.6 20.0 27.6 47.3 48.1 52.0 3
平年 5月30日  5.8  9.0 19.9 25.6 31.0 36.7
スターキング
デリシャス
本年 5月24日 14.3 25.4 38.9 54.1 51.2 60.5 10
平年 6月2日  4.6  5.3 13.3 12.1 24.1 21.9

3.斑点落葉病     発生期 早   発生量 やや多
長沼町の予察園での発生は平年より早く認められた。発生量は平年より多く推移している。
地点 品種名 初発日 新梢の病葉率 平年数
6.II 6.IV 6.VI
長沼町 スターキング
デリシャス
本年 5月30日  - 13.4 11.2 6
平年 6月26日 0.0  0.6  4.4

4.ハダニ類       発生量 並〜やや多
長沼町の予察園における発生量は、リンゴハダニ、ナミハダニとも平年並に推移している。普及センターからの報告によると、余市町・仁木町の一般園では特にリンゴハダニの発生が多くなっている。

5.ハマキムシ類      発生量 並〜やや多
一般園では落花後の花そう被害は平年並であった。長沼町の予察園のフェロモントラップ誘殺数では、コカクモンハマキで多め、リンゴモンハマキで少なめとなっている。普及センターからの報告によると、余市町のコカクモンハマキの誘殺数が多いほかは平年並である。

フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 余市町 仁木町
リンゴモンハマキ リンゴコカクモンハマキ リンゴモンハマキ リンゴコカクモンハマキ リンゴモンハマキ リンゴコカクモンハマキ
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I 0 0 0 0 0.0 0.0 0.0  0.0 0.0 0.0  0.0 0.1
6・II 0 0 0 1 0.0 0.0 0.0 0.6 0.0 0.0  0.0 0.8
6・III 0 1 0 12  0.0 0.3  0.0 7.6  0.0 0.2  0.0 5.4
6・IV 0 7 41 30 0.0 0.5  22.1 8.9 0.0 0.4 8.6 9.0
6・V 21 18 176 55 2.7 1.6 72.2 9.4 1.3 1.5 8.7 8.4
6・VI 21 31 37 74 1.3 0.7 31.7 14.9 0.7 0.6 2.7 16.4

6.キンモンホソガ    発生期  遅   発生量   やや少
 長沼町の予察園におけるフェロモントラップによる誘殺初めは5月2半旬(平年:5月28日)で早かった。しかし、誘殺量は平年より少ない。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 増毛町 仁木町
本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I  3  6.6   3   1    0   9.7
6・II  0  1.3   0   0    0   1.3
6・III  0  0.4   0   0    0   2.8
6・IV  1  0.1   0   0    0   9.3
6・V  14 19.9   0   1   7.3  45.5
6・VI  38 79.1   0   4   3.7 155.1

7.モモシンクイガ     発生期  早  発生量  並
長沼町の予察園におけるフェロモントラップによる誘殺始めは6月20日(平年:6月25日)とやや早く誘殺数は少なめであった。普及センターからの報告によると、余市町・仁木町および増毛町の一般園における誘殺数は平年並である。
フェロモントラップによる誘殺数
月・半旬 長沼町 増毛町 余市町 仁木町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I  0  0.0  0  0  0.0  0.0  0.0  0.0
6・II  0  0.0  0  0  0.0  0.0  0.0  0.1
6・III  0  0.0  0  0  0.0  0.3  0.0  0.1
6・IV  1  0.4  1  1  4.3  1.2  5.7  0.6
6・V  2  4.6  4  2  8.3  1.3  9.0  3.4
6・VI  5  9.2  8  6  3.3  2.2  3.3  5.1

G.たまねぎ

1.白斑葉枯病     発生期  やや早   発生量 並〜やや多  
長沼町の予察ほでは平年より早く初発が認められた。訓子府町の予察ほでは6月中は未発生であったが、7月3日に初発が認められた。普及センターからの報告によると、一般ほでは網走支庁管内では平年並の少発生であるが、上川支庁管内では多発している。
地点 品種名 初発日 病葉率 平年数
6.II 6.IV 6.VI
長沼町 スーパー北もみじ 本年 6月12日 0.5 1.5  3.0 10
平年 6月18日 0.7 1.5 10.1
訓子府町 スーパー北もみじ 本年 7月3日 0 0  0 6
平年 7月3日 0 0  0
注)長沼町の初発期の平年値は「空知黄」7年、「ウルフ」1年、「スーパー北もみじ」2年。
訓子府町の平年値は「北もみじ86」3年と「スーパー北もみじ」3年。
2.ネギアザミウマ     発生期  遅  発生量  やや多〜多
長沼町および訓子府町とも成虫の初発は平年より1半旬遅かった。長沼町および訓子府町の幼虫発生量は多くなっている(6月23日付け注意報第7号)。普及センターからの報告によると、発生量は全道的に多めである。
25株当り寄生数
月・半旬 長沼町 訓子府町
成虫 幼虫 成虫 幼虫
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I 0 0 0 0 0 1 0 -
6・II 0 1 0 0 0 3 0 1
6・III 0 3 0 12 2 7  0 1
6・IV 6 7 0 16 92 20  0 3
6・V 8 10 39 71 227 81 54 48
6・VI 9 27 123 96 412 116 1780 170

H.あぶらな科野菜

1.コナガ         発生量  やや多  
フェロモントラップによる雄成虫の誘殺数は、長沼町および大野町とも平年並からやや多であるが、幼虫数は多くなっている。
月・半旬 フェロモンによる誘殺数 10株当たり寄生虫数
長沼町 大野町 長沼町 大野町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I 32 62 106 62        
6・II 63 59 44 56 0 3 24 36
6・III 141 92 58 46     0  
6・IV 134 85 49 31 3 14 278 114
6・V 58 52 34 42        
6・VI 62 52 64 86 42 16 258 238

2.モンシロチョウ     発生量(幼虫) やや多
予察ほにおける6月の成虫発生量は、長沼町ではほぼ平年並であったが、大野町では多発であった。幼虫の発生量は、長沼町では少なかったが、大野町では多かった。
月・半旬 成虫数 10株当たり寄生虫数
長沼町 大野町 長沼町 大野町
本年 平年 本年 平年 本年 平年 本年 平年
6・I 3 1     0 3    
6・II 0 2 10 1 0 5 30 4
6・III 3 1      0 5 0  
6・IV 2 3 7 2 2 7 52 9
6・V 1 3      1 6    
6・VI 2 3 60 13 0 4 17 8
前半(気象概況、水稲、小麦、豆類、ばれいしょ)へ戻る

病害虫発生予察情報一覧へ戻る
ホームページへ戻る